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下川辺 隆史*; 遠藤 敏夫*; 小野寺 直幸; 青木 尊之*
Proceedings of 2017 IEEE International Conference on Cluster Computing (IEEE Cluster 2017) (Internet), p.525 - 529, 2017/09
ステンシルに基づくCFDコードは、規則的なメモリアクセスを持つため、GPUで高い性能を得ることができる。しかしながら、GPUはCPUと比較して、メモリ容量が小さいため、CPUと同様の大きさの問題を解くことができない。そこで、本研究では、CPUのホストメモリとCPUのデバイスメモリの局所性を向上させることが可能な、テンポラルブロッキング法を用いることで、GPUのメモリ容量を超える大きさの計算を可能とした。本研究で開発したフレームワークでは、複雑なコーディングは必要とせずに、テンポラルブロッキング法を含む並列計算用のコードを生成できる。フレームワークを用いて開発した気流解析コードでは、TSUBAME2.5において、GPUのメモリ容量の2倍の計算規模においても、通常のメモリ容量の計算の80%程度の実効性能を達成した。
稲村 泰弘; 伊藤 崇芳*; 鈴木 次郎*; 中谷 健
JAEA-Testing 2016-001, 91 Pages, 2016/06
万葉ライブラリとは、J-PARCの物質生命科学実験施設(MLF)において実施される中性子散乱実験にて得られたデータの解析に使用されるソフトウェアの開発基盤(フレームワーク)を提供するものである。このフレームワークはMLFで稼働する多くのビームラインで動作する必要があり、中性子実験データの処理に対して共通に使用される機能と各装置の仕様にあわせたソフトウェア開発に使用される。このフレームワークは、様々な次元のヒストグラムを入れる容器、データコンテナを中心として構成されている。データコンテナは、多次元ヒストグラムのエラー伝搬機能付きの四則演算、メタデータの保管、ファイルの読み書きなどの機能を持つ。万葉ライブラリはC++言語で作成しているのが、ユーザーインターフェースとしてPythonを選択し、Pythonの環境から万葉ライブラリを容易に呼び出す仕組みを導入している。これらの特徴を生かして、すでに様々なデータ処理・解析コードが多数開発されており、現在のMLFの多数の装置において解析作業の要として動作している。本報告書は万葉ライブラリを初めて使用するユーザーのための利用マニュアルである。
太田 高志*; 白山 晋*
日本計算工学会論文集, 1, p.27 - 33, 1999/00
並列流体計算のプログラム設計に対する、1つのアプローチを提案し、その実現のためにオブジェクト指向による、プログラミング・フレームワークを構築した。このフレームワークを核として、前・後処理を含めた、統合計算環境をシームレスに設計することが可能となる。本論文ではフレームワークの設計思想を解説し、実際のシステム構築計算例を紹介する。